Acubens of Cancer 蟹座アキュベンス(アクベンス)

 

蟹座α星のアキュベンス (Acubens) は、アラビア語で「爪」を意味する言葉の

  الزبانى al zubanāh に由来します。

アキュベンスは厳しい状況を通り抜けて復活することに関係するといわれています。

蟹座は古代エジプトではスカラベに関係すると考えられていました。

スカラベを糞転がしと勘違いしたのはファーブルで、実際には、太陽神の死と再生に関係する神聖な虫であると考えられていました。

スカラベは常に雄しかおらず、単性生殖をすると考えられていたのです。

新生あるいは死。

いずれにしても、生命の門番ないし助産師として働くと説明されており、人生のサイクル全体を司る星なのです。

ベルナルディーノ・メイ 「我が子に驚くアルクメーネー」 (1676)
ベルナルディーノ・メイ 「我が子に驚くアルクメーネー」 (1676)

ゼウスの子ヘラクレスは、誤って自分の子を殺した罪を償うため、12の功罪(冒険)を行うことになりました。(上の画像は、生まれたばかりのヘラクレスと母親。ヘラクレスを殺そうと女神ヘラが投げ込んだ毒蛇を鷲掴んでいる図。)

 

12の功罪の1つがヒドラ(ヒュドラ)/うみへび座の退治である。化け蟹カルキノスは、最初はヘラクレスとヒドラの戦いを見ていました。

 

次第に同じ沼に住んでいる友人であるヒュドラが形勢不利になったため、飛び出してヘラクレスの足を挟みました。しかし、ヘラクレスは振り払い(気づかず)踏みつぶしてしまいました。

 

一部始終を見ていた女神ヘラは、友情に熱い勇敢なるカルキノスを哀れに思って、天に上げて星にしました。

『ヘラクレスとレルネのヒュドラ』。1876年-1880年頃。ギュスターヴ・モロー
『ヘラクレスとレルネのヒュドラ』。1876年-1880年頃。ギュスターヴ・モロー

学名:α(アルファ) Cancri /等級:(四等星) /蟹座。死からの再生。冥界の門番。助産婦。自己犠牲的。人生のサイクルを扱うヒーラー。

キーワード:かにの南側のはさみに位置する白と赤の二重星

アキュベンス(アクベンス)は、論理的、理性的な頭脳と、忍耐力、高い理想を授けます。この星の影響を受けている人は、率直で、押しが強いのが特徴です。深い考えを持ち、組織力にも優れていますが、横柄にふるまいがちなので気をつけましょう。この星は、太陽との位置関係により、物事を体系化する能力や、管理能力を与えてくれます。自分の専門分野では、傑出した貢献ができる可能性を持っています。占星術や科学の分野の教育者として高い地位に就くことになるかもしれません。また、ものを書く能力にも優れています。しかしこの星は無法者の隠れ家でもあるので、反体制活動に傾倒する可能性があります。

●長所:現実的な視点を持つ、忍耐強い、決断力に優れる

■短所:反抗的である、落ち着きがない、知識の使い道を誤りがちである