Castor of Gemini 双子座カストール

『レウキッポスの娘たちの略奪』ルーベンス
『レウキッポスの娘たちの略奪』ルーベンス

兄のカストルの父はスパルタ王のテュンダレオース、弟のポルックスの父は大神ゼウスであったと語られています。

 

 

 

アパレウスの兄弟レウキッポスの娘にヒーラエイラとポイベーの姉妹がいました。2人はイーダースとリュンケウスの許嫁でした。この姉妹をカストールとポルックスがさらって妻としました。だが、どういうわけか、この4人はともに牛を略奪したこともありました。その時、分け前の問題で争いが起きました。

この戦いで、カストールは戦死。嘆いたポルックスは自分の死と引き換えにカストールを生き返らせることをゼウスに願いました。ゼウスは願いを聞き入れました。

そして、2人は1日おきに(生涯の半分は天で、半分は黄泉の国で暮らさなければならないことになり、半年ごとに天と冥界を行き来しているとも言われています)地上と天上にかわるがわる暮らすこととなりました。この兄弟愛をゼウスはほめたたえ、天にあげました。これがふたご座です。

 

古代ローマ・レギルス湖畔の戦いの時、カストールとポルックスの亡霊が白馬にまたがり、戦場に現れ、ローマ軍を助けました。ローマ軍は勝利の後に、2人が現れた場所に神殿を建てたといわれています。

 


双子座のα星カストール。

明るい表の側です。

日本ではしばしばpollux(ポルックス)と共に「金星」「銀星」と呼ばれています。

カストールは水星に関連していて鋭い知性に関係し、法律とか出版関係では成功すると考えられていたようです。

ポルックスとのセットは大抵カストールの方が上品で冷静、一方のポルックスは好戦的で我慢強くないという対比になりやすいので、テレビドラマなどで一人は賢く、もう一人は忍耐強くない悪巧みをする兄弟がでてきたら、これはカストールとポルックスの二人組のイメージの投影かもしれません。

ツインの発想とか、また裏と表という二面性を活用する場合、このカストールとポルックスの組み合わせは代表的なものです。対立したものを両立させたり、また切り替えたりするような意識です。それは天国と地獄の結婚とか、また生と死の結合といわれたりします。

知識の探求に関係し、基本的に物書きとか学者などに縁が深い星と言われています。

法律や学術、出版関係などです。

当然、冴えた知的能力が発達しやすいでしょう。

このカストールとポルックスの葛藤でもがいている状況は多くの作家を育成するといいます。

数多くの小説家がこの星をもっているそうです。

物書きの前に、まずは良いこと悪いことを織り交ぜたストーリーテリング能力に関係するわけです。

ポルックスに似ているとプトレマイオスが選んだ火星は好戦的な天体ですが、しかしシュタイナーの考えであれば、言語能力というのは行動感覚に直結しています。

火星がないと話をすることができないのです。

この2つは4.5度離れているので、ホロスコープ上ではどちらか片方のみが出ることが多いです。

その場合、カストールが表に出てきたら、表と裏の意識のうち明るい側が表面化し、その裏でポルックスが働きます。

またポルックスが出てきた場合には、物事の暗い面に先に目をつけます。

そして後に。カストールの明るい側が力を巻き返します。

しかしどちらにしても、この両方の星は常にセットで働き、切り離すことができません。

どちらかが入り口になるということにすぎないのです。

 

ポルックスがいかに否定的で暗い面に目を向けても、いずれは明るいカストールに舵取りされてしまいますから、その深刻さが限度を超えて深くなることはほとんどありません。

深刻なものは、やはりひたすら深刻に向かう恒星の力によるもので、例えばアルファードは恐怖世界にふさわしいですが、カストールとポルックスはむしろ明暗のに面を遊ぶという傾向になるのです。例えば、太陽とのパランで、ポルックスがカルミネートの場合、20代終わりから60歳くらいまでの活動期に、出版関係などで成功しやすいということになります。

 

神話では、神の子はポルックスのみで、兄のカストールは不死ではありません。

つまり暗い川の流れの中で、カストールが出たり消えたりするのです。 


双子座兄。品行方正。明朗。物書き、学者に縁が深い。法律、学術、出版に能力を発揮。突然の名声。批判を克服。

学名:α(アルファ) Gemini /度数:♋️20.31 /等級:1.58重星(二等星) /惑星:☿水星 /キーワード:(精神、態度、性格などの)優秀性、鋭い知性、訴訟や出版における成功、多くの旅行、突然有名になったりするがたびたび不名誉や運を損ねることが付いてくる。病、大きなもめ事、悪意のある暴力を振るう傾向がある。

明るい白色、あるいは青みを帯びた白色の連星で、北側のふたご座の頭の位置にある

カストルの影響の特徴は、頭の回転の速さと鋭い知性。また、大きな環境の変化をもたらします。浮き沈みが激しく、幸運を手にしたかと思うと不幸に見舞われるのです。太陽の角度によって、この星の影響は、活力にあふれた性格や風刺に富んだ言葉となって表れますが、皮肉屋の面が強く出てしまうこともあります。またこの星の影響を受けた人は、文章を書く才能に長けており、コミュニケーションの才能にも恵まれています。社会の出来事に興味があり、メディア関連の仕事を選びます。海外に関連した仕事をする機会もありますが、一方、形而上学的な学問の分野で才能を発揮することもあります。

●長所:知的である、創造力がある

■短所:名声を得るがそのために失うものも大きい