てんびん座α(アルファ)星は、てんびん座の中で2番目に明るく二重星です。
固有名はズベン・エル・ゲヌビ (Zubenelgenubi) で
アラビア語で「南の爪」を意味する
الزبن الجنوبي (az-zuban al-janūbiyy) に由来します。
また別の説で 、
ズバーナー・ジャヌービー
الزبانا الجنوبي (az-zubānā al-ğanūbī)と表記されることもあります。
かつて、てんびん座がさそり座の爪を表していたことからきています。
西はおとめ座と、東はさそり座と接する。
ギリシャ神話では、正義と天文の女神アストレアが手に持っている、正義を計る天秤だとされる。隣にあるおとめ座がアストレア(アストライアー)をかたどったものとする説もあります。
<参照・wiki>
ズベン・エシャマリと兄弟星です。
「南の爪」というのは、この星が蠍座の一部とみなされていた頃に命名されたからです。
”個人的な利益を求めることが社会の仕組みを歪ませると考え、私欲を捨てようとします。
政治や法に関わりやすく、組織やグループ、地域社会、あるいはもっと大きな社会に対して間違いを正し、正しく運営することに強い意欲を見せます。
個人のエゴを満たす誘惑に打ち勝とうとする意思があります。
ズベン・エシャマリと二つセットの場合には、
常に明暗に対比され、一つは公式的で表であり、もう一つは裏の面を表します。
世直し的な発想で不正を正すことに関係します。
ズベン・エルゲヌビの方が積極的です。
私利私欲には走らないで社会正義に燃えるのは、
明らかに南の爪のズベン・エルゲヌビの側で、様々な誘惑に打ち勝つことができやすいと言えます。
無償の奉仕と犠牲はズベン・エルゲヌビで、
報酬を求めて犠牲になりたくないのはズベン・エシャマリという違いが出てきますが、
占星術においてはたいてい両方の影響が出ることが多いはずです。”
太古の昔から近代への変遷と、 天秤座の成り立ち
天秤座の由来となったのは、正義の女神アストレアが持つ死者の魂を裁く(正邪を量る)天秤だといわれています。
一説には、てんびん座の近くにあるおとめ座は、アストレアの姿だとも言われています。
その天秤を使って死者の霊の善悪を計り、悪に傾いたものを冥界におくる役目を果たしていました。
太古の昔、この世が黄金時代と呼ばれていた頃は、一年中、春の穏やかな気候に包まれ、働かなくても食べ物に困ることもなく、人々は神々と共に、穏やかに幸せに暮らしていました。
女神・アストレアの天秤も、常に善に傾いていました。
やがて、ティタノマキアの戦いが起こり、
ゼウス率いるオリンポスの神々が父クロノス率いるティタン族を制圧し、ゼウスが覇権を奪うと、世界は銀の時代へと移っていきます。
銀の時代では、ゼウスは季節を4つに分けました。
そのため、人々は作物を収穫するための労働や暑さ、寒さを防ぐ家の建設など、生きていくために働かなくてはならなくなり、やがて、生活の格差が生まれるようになりました。
この頃はまだ、人々の心は善に傾いていました。
しかし、よく知られているように、パンドラが世界中の災厄をつめていた箱(パンドラの箱)の蓋を開けてしまいます。
閉じ込められていた全ての災厄は箱から飛び出し、世界中へと飛び散ってしまいます。
やがて、世界は青銅の時代へと移り変わっていきます。
青銅の時代では、青銅から様々な道具が作られるようになりました。
金は欲望の象徴として人々に所有されるようになり、ますます貧富の差が出てくるようになりました。
人々は嘘を吐き、しだいに暴力が横行するようになります。
人々と共に暮らしていた神々も、このような行いに呆れ果て、天界へと去っていくようになりました。
それでも、女神アストレアは人間を信じ、人々に正義をはかり続けました。
次に、世界は、半神(神と人間のハーフ)が現れる英雄時代に移り変わっていきます。
ギリシャ神話における、ヘラクレスやペルセウスなどがそれにあたります。
ゼウスは青銅の時代の人々の行いに怒り、大洪水を起こして人間を全滅させ、新しい種族を誕生させたはずでした。
パルナッソス山に残った希望
大海原の中に見えるのは、唯一パルナッソス山。この山には、二人の人間が生き残っていました。プロメテウスの息子デウカリオーンとその妻ピュラー(エピメテウスとパンドラの娘)です。
ゼウスの思惑に気づいていた『先を見るもの』プロメテウス。彼は、自分の息子に大洪水が起こることを教えていたのです。
ゼウスが贈った”女性という災厄「パンドラ」”は、しっかりと希望の力を発動し続けています。
新しい種族の中から英雄と呼ばれる半神が現れ、彼らの活躍によって、人間の堕落に少し改善が見られたものの、やがて、英雄の中にも増長する者が出てくるようになり、結局、トロイア戦争などの争いで滅亡の道を歩んでいきました。
そして、世界は最終的に鉄の時代へと移り変わっていきます。
パンドラの開けた箱から飛び出した「災厄」によって、アストレイヤは地上を奔走することになり、結果的には人間から離れて天界に帰っていきます。
”祝福は飛び去ってしまったが、ただエルピス(希望)だけは残って「逃げてしまった良きものを我々に約束した」<参照・wiki>”
鉄の時代になると、人々は自然は破壊し、武器を作って殺戮を繰り返すなど、その横暴は留まるところを知りません。
最後まで人間を信じ、地上に残っていた女神アストレアも、とうとう失望し、地上を去っていきました。
アストレアが持っていた天秤が、天秤座になった、といわれています。
そして、鉄の時代は今現在も、継続中だといわれています。
天秤座南の爪。社会の不正を正す。社会改革。無私。政治や法に関連。慈善的奉仕と犠牲。
学名:α(アルファ) Libra(Zuben Elgenubi) /度数:♏️15.17 /等級:2.90 /惑星の特性:♄土星 ♂火星 /キーワード:悪意、障害、容赦のない性格、暴力、病気、嘘をつく、犯罪、不名誉、および毒による危険などを引き起こす。
てんびん座の南側の皿に位置する淡黄色と薄い灰色の二重星
アルゲヌビの影響を受ける人は、人生で何度も大きな変化を経験し、不安定な時期を過ごします。変わったことはせず普通の道を歩むよう、この星は警告を発しています。障害を乗り越えることを学ぶと、成功を手中に収められます。太陽との位置関係から、この星は、目標に注意を集中し、そうすることで障害や失望感を克服する力を与えてくれます。
(別名:サウス・スケール、サウス・クロー、アル・ゲヌビ)
●長所:人を許すことができる、忍耐力がある、粘り強い
■短所:よくない人とつき合う、法を侵す